とあるエラー

地球暮らし 

とあるエラー(陰謀1)

夕方を過ぎた頃、あるシステムにエラーが出ていることに気が付いた。

<僕はミスをしてしまったのだろうか?>

19時になろうとしている今、詳細を確認することは不可能だった。

<この状態を持ち帰ることになるのかぁ。>

明日は平日だけど僕にとっては連休の始まり。
だけど、また休めない、この件で出掛けなくなくてはいけなくなってしまった。
明日どころか今夜、気持ちを落ち着かせて過ごすとか食べた物をきちんと消化するとかぐっすり眠るとか、そういったことすら難しそうだ。

起こりうる最悪の事態をシミュレーションし想像してみた。
損失額、期間、迷惑をかけることになるかもしれない人たちの顔を。

・車が買えてしまうかもしれないぐらいの損失額(どんな車かはさておき)
・1年ぐらいの損失期間
・周囲の人のうんざりした顔

<最悪の事態が生じる確率はどれぐらいなのだろう?>

家に着いた後、手持ちの資料を確認してみた。
「このエラーが放置された場合、最悪の事態が発生する確率は100%である」ということの根拠をみつけることはできなかった。

<ε-ホッ 食べ物を消化することぐらいは出来そう。>

食事をとってから自分の過失の不存在を証明するための資料をまとめた。
出てくる資料は全て自分の無過失を示していた。
最も効果的な資料はみつからなかったけれど、一定程度必要な資料を揃えることはできた。

<14時には起きよう。>

『陰謀のセオリー』という映画を観ながら布団に入った。

…‥誰かが後からデータを改変したために事後的にエラーが出た可能性が高い。
いつ改変されたのか。
僕はどうしていればよかったというのだろう?
そもそも僕のミスは一体何?
一番効果的な証拠を保存していなかったこと?……

KA管理局が閉まる約1時間前に目が覚めた。
歯を磨いていないし髪をとかしてもいない。別にいい気がした。
それどころか直立姿勢でいること、そして右足が一歩、左足がさらに一歩と前へ出ること自体が奇跡であるように思えた。

<もう一晩この問題を持ち越すことだけは避けたい>
それだけの思いでほぼ寝起きのままの状態で目的地へ向かった。
<倒れそっ…>

【ルームA(管理局)】

僕:「誤りがないにも関わらず、エラーとなっているのですが…」

事務官A:「ここに誤りがありますね」

僕:「いえ、誤りはありません。これを見てください。」

事務所A:「たしかに。どういう事情なのかはわかりませんが、後から変更された可能性がありますね」

僕:「当初はそのような形式になっていませんでした、途中の時点でもその形式ではありません。そして最終的に変更されたとしてもその変更には実体がありません」
「当初と途中の時点でのデータがあるのですが…」

事務官A:「…ちょっと見せもらっていいですか。」

僕は昨晩用意した資料を取り出して説明した。

事務官A:「なるほど。当初の資料を作ったのもこの変更を行ったのもルームBですね。こういう場合は問題なく対応してもらえると思います。
ただその処理はルームBで行うことになっています。大丈夫ですよ、心配しないでください」

<”大丈夫”、”心配しないでください”。優しい言葉だな(´;ω;`)ウッ…。僕は今きっと顔面蒼白でゾンビみたいな顔をしているんだろうなぁ…>

【ルームB(管理局)】

「ルームAにてここで対応してもらえると聞いた」と前置きをした後でルームBにおいても同様の説明をした。

事務官B:「このエラーが出ているなら、あの結果を出すことは出来なかったのでは?」

<雲行きが怪しい…>

事務アシスタントB:「でもこの変更が後から出されたものであるなら…」

事務アシスタントB:「ここに変更の記載がありますね」

デスクに置かれたノートに目を通しながら事務アシスタントBは答えた。

事務官B:「いつ変更されたのですか?」

事務アシスタントB:「日付が書かれていません」

僕:<はっ?!>

\(◎o◎)/!

事務アシスタントB:「最近という可能性も…」
事務官B:「最近かもしれませんねぇ…」

事務官B:「ちなみに一部は適切に処理されているんだよねー。うーん」
事務官Bは頭を抱えた。

事務官B:「どうして変更されたのかな」
事務アシスタントB:「Xさんからの要望でしょう」

事務アシスタントB:「修正しておきます、後日確認が出来ると思います。何かあったら来てください。」

事務官Bを説得してくれた事務アシスタントB…アシスタントBは心配そうな優しそうな顔をしていた。

<証拠を何も持たず、最初にルームAに行かず、アシスタントBがここにいなかったとしたら、どうなっていたのだろう?>

日が沈みかけていた。
<僕に何の落ち度もないというなら 謝罪されてもいいのでは……?。僕の昨晩と今日一日を返せぇぇぇ!
まあ、形式的でおかしな対応がなされるリスクがあったわけだから…そうでなくて本当によかった。>

おおよそのことが片付いた後、トイレで歯磨きをしてから管理事務局を出た。

「愛ちゃーーーん!」

事務局を出てから5分ほど歩いたところで
白い歯が眩しい外国人の女友達が話しかけてきた。

…。

<さっき歯磨きしてよかった、危ない危ない>

 

o。o゚o。o゚o。o゚o。o゚o゚o。o゚o。o゚

翌週の休日(陰謀2)

5.

翌々日のことだった…
僕と友達はKA管理局の近くでケーキを食べながら雑談していた。
周囲の様子を伺いつつ友達に今回のエラーの件を話すと
「ルームBは信用しちゃだめだよ、平気で嘘つくし、言った言わないで他の人も困っていたからね」
と釘を刺された。

話を続けながら僕は恐る恐るノートPCを開き該当のシステム情報を確認してみた。
既に昨日には修正されていたはずだけど、これ以上メンタルに刺激を与えるようなことはしたくなかったので確認が遅れていた。
もし修正されていないとしたなら、あるいは事態がさらに悪化していたなら…休日を楽しむことが出来なくなるからだ。
休暇はすでに終わってしまったし友達が見守ってくれている今ならどんな結果でも受け止められる気がして僕は画面に向き合った。

・・・現在、システムエラーはありません・・・

<よかったぁ>

大丈夫だったよ、と友達に報告した。

<それにしてもルームBが信用ならないなんて…。これからは定期的に確認しないと。>

6.
…あれから一週間が過ぎ僕にとっての休日が再び訪れた。

水曜日、木曜日、金曜日は自由。
土曜日、日曜日は仕事。
今週はいつもどおりのスケジュール。

先週はゆっくり休むことができなかったけど
今週こそはゆっくり休める!!……はずだった。

 

つづく・・・!??

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